看護休暇制度とは
2023年06月12日
近年、日本で急速に進展する少子化は、更なる労働力人口の減少が見込まれるなどの深刻な社会問題となっております。
そこで政府は「異次元の少子化対策」を掲げ、2024年度から3年間かけ「こども・子育て支援加速化プラン」を集中的に取り組むと発表しました。
企業においては、育児にかかわる法制度を遵守しながら、生活と仕事を両立でき、男女が共に働きやすい職場づくりを行うことが、少子化歯止めの対策の一つと言えるでしょう。
●子の看護休暇とは
「負傷し、又は疾病にかかった子の世話又は疾病の予防を図るために必要な世話を行う労働者に対し与えられる休暇(1年度において5日)」であり、
労働基準法第39条の規定による年次有給休暇とは別に与える必要があります。
子どもが病気やけがの際に休暇を取得しやすくし、子育てをしながら働き続けることができるようにするための権利として子の看護休暇が位置づけられています。
●子どもの看護休暇制度の規定の有無(東京都産業労働局調査結果https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/index.html)
▷「規定あり」と回答した事業所は87.1%
▷「規定なし」は10.7%
さらに、子どもの看護休暇の「規定あり」と回答した事業所で賃金の支給状況
▷賃金の支給がある事業所は34.3%(全額支給(27.3%)と一部支給(7.0%))
▷一方、支給のない事業所は60.7%
看護休暇を取得している間の給与については、法律上は規定が設けられていないため、有給・無給のどちらでも問題ありません。
労使の取決めで、就業規則に明確に給与の有無について記載しなければなりません。
給与の定め方は、企業によって様々ですが、無給の場合は、労働者が自身の年次有給休暇を優先的に消化してしまうことから、
年次有給休暇とは別に取得ができる看護休暇制度(1年度において5日取得可能)そのものの意義が薄れてしまいます。
看護休暇は、2021年1月より、「1日又は時間単位」での取得が可能となりました。
労働者の「育児と仕事の両立」や「より良いワークライフバランスの構築」を実現させるための制度改正となっております。
「看護休暇の有給化」などの福利厚生を充実させ、働きやすい職場づくりを行い、採用等のブランディングを行うと良いでしょう。