高度外国人材の採用について

2018年01月05日

昨年11月、法務省は『平成28年における留学生の日本企業等への就職状況について』を公表しました。それによると、日本の企業等に就職するために在留資格変更許可申請数および許可数が、ともに過去最高を記録した旨を伝えています。本ニュースでは、ビジネスの国際化や労働人口減少によって注目が集まっている外国人材の活用の内、留学生の日本企業への就業について考えます。

法務省プレスリリースの概要
昨年の在留資格変更許可数は19,435人で、平成23年時点での8,586人に比べ、約2.26倍にまで増加しました。その内、最終学歴が大卒以上の方が全体の73.2%、専修学校卒が18.6%を占めます。8割超が非製造業に就職し、職務内容は最も多い翻訳・通訳(24.0%)に次いで、販売・営業(15.2%)、海外業務(9.9%)と続きます。就職先は大企業とは限らず、資本金別では資本金500万円以下(20.0%)、従業員数別では従業員数50人未満(40.4%)の企業等への就職が、最も多くなっています。

魅力のない日本企業?
日本で就職する留学生の数は近年増加の一途を辿っていますが、それでも企業と留学生とのマッチングは十分ではない状態です。経済産業省が昨年2月に公表した『「内なる国際化研究会」報告書』によると、学位が上がるほど日本での就業意欲と就職率が下がっているのが見て取れます(下図参照)。

【外国人留学生の就職率】

※経済産業省『「内なる国際化研究会」報告書(概要)』から抜粋

また報告書では、留学生・元留学生の約83%が「日本に住むこと」を魅力的と評価しているのに対し、「日本で働くこと」には約51%が否定的に評価している旨を伝えています。その理由として、以下のような声が掲載されています。

【就業に関して】

急遽の異動の意図について会社から説明がない。また人事部とキャリアについて相談する機会もない仕事の質が低い人も年功序列で昇進しており、会社の昇進制度に不満がある
仕事が終わっても周りの日本人社員が残っていると帰りづらく、ストレスとなった

【採用活動に関して】
面接において外国人材としての強みが評価されない。ここは日本だから英語と中国語ができることに価値はないと言われたこともある日本人学生は就職活動のスケジュールを把握しているが、留学生はそれを知らない面接時間が短く、フィードバックもないため、会社が求めている人材と自分の認識にギャップがあるのか分からない。

選ばれる企業となるには
昨年6月に閣議決定された『日本再興戦略改訂2016』では、“外国人留学生の日本国内での就職率を現状の3割から5割に向上させる”ことを目指すとしており、留学生の採用・確保は、国を挙げての課題であるといえます。
先の経済産業省の報告書によると、外国人材を受け入れる企業は以下のような取り組みを進めているようです。
・通年採用の実施
・年功制の廃止
・職務範囲やキャリアパスの明確化
・経営者のリーダーシップで大胆な人材登用を行う など

さいごに
前項のような取り組みは、現在政府や厚生労働省が推進している『働き方改革』の内容と重なってきます。ここからも伝統的な日本型雇用からの転換が求められている時代であるということが見て取れます。留学生に限ったことではなく「採用がうまくいかない」「従業員が定着しない」といったことには、会社の制度と労働者がマッチしていないことの現れです。そのような問題を感じた時には、自社の制度を見直す機会と捉えると良いかもしれません。

▲ページのトップに戻る