就職活動中の学生などに対するセクハラ防止について

2022年06月13日

厚生労働省は、就職活動中の学生やインターンシップを行っている者等(以下、就活生等)に対し、性的な嫌がらせをするハラスメント(以下、就活セクハラ)を防止するための取り組みを、順次実施していくことを発表しました。

採用担当者らの就活セクハラ被害は社会問題化しており、各企業は社内啓発や面会時のルール作りなど、防止するための何らかの措置を講じることが必要です。

◇就活セクハラ問題の近況
令和3年4月に厚生労働省より公表された「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、平成29年度から令和元年度に卒業した者で就職活動を経験した男女1000人のうち、約4人に1人が就職活動中またはインターンシップ参加中にセクハラ行為を受けたと回答しています。また男女別でみると、経験したと回答した割合は男性の方が女性より高くなっています。

本年3月以降、厚生労働省は以下4つの取り組みを実施するとしています。

①大学生に対する出前講座
出前講座(「就活ハラスメント防止対策関係セミナー)では、就活中にセクハラにあわないために、また、あったときにどうすればよいか、法令、対応のポイントや相談先等について解説が行われます

②就活セクハラの被害にあった学生へのヒアリング
学生等の抱える悩みや行政への希望の「生の声」を伺うため、非公表でヒアリングを実施し、今後の行政における相談対応、企業指導に活かします

③就活セクハラを起こした企業に対する指導の徹底
昨今の就活セクハラにおいて未だに悪質な事案が見受けられ、社会的注目の高まりを踏まえ、就活セクハラを起こした企業に対しては、就活セクハラについて行ってはならない旨の方針の明確化等を行政指導により徹底されます

④大学生などに対する就活セクハラ関係の周知啓発
文部科学省と連携しSNS等での周知を継続します

昨年、職務上の地位を利用して就職活動中の女子大学生と個別に連絡を取り、ホテルに行くなどして苦痛を与えたとして、新卒採用を担当していた男性社員を懲戒解雇処分としたとするニュースが報じられ、深刻な被害実態が浮き彫りとなりました。
このような被害が発生すれば、企業全体に対する社会的信用までも低下し、人材確保が困難になるとともに、取引関係の悪化など、様々な影響が生じることでしょう。

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