雇用・労働総合政策パッケージ ~賃上げ支援~(厚生労働省)

2022年12月13日

2022年12月現在、物価高騰の話題が連日取り上げられており、賃上げの動向についても注視されています。
厚生労働省は「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」雇用・労働総合政策パッケージを策定し、これまでの「賃上げ支援」に加えて、「人材の育成・活性化を通じた賃上げ促進」「賃金上昇を伴う円滑な労働移動の支援」「雇用セーフティネットの再整備」の一体的、継続的な取組を推進していくとしています。

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1.一般労働者の賃金推移

2.雇用・労働総合政策パッケージとは

3.さいごに
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1.一般労働者の賃金推移
以下の賃金推移を見るに、ここ20年程度では、女性の賃金は上昇傾向にあるものの、男女計の賃金は、横ばいで推移しています。2022年10月に発表された9月の消費者物価指数は前年同月比で3.0%の上昇、消費増税の影響を除くと31年ぶりの高い上昇率となっており、物価上昇は労働者の生活に大きく影を落としています。

(厚生労働省「賃金構造基本統計調査:性別賃金、対前年増減率及び男女間賃金格差、対前年差の推移」)

2.雇用・労働総合政策パッケージとは
厚生労働省では、あらゆる層の賃上げを推進するために「賃金の底上げ」「賃上げに繋がる人への投資」「賃金上昇を伴う労働移動」といった3つの方策と、それらを支える「多様な働き方」を実現させるべく、次の政策パッケージを打ち出しました。

1.労働者の賃上げ支援・最低賃金の引上げと履行確保
・業務改善、働き方改革推進支援、キャリアアップなどの助成金拡充
・同一労働同一賃金の徹底に向けた労働局と監督署の連携

2.人材の育成・活性化 ~個人の主体的なキャリア形成の促進~
①個人の主体的なキャリア形成の促進
・人材開発支援助成金の助成率引上げなどの見直し
・教育訓練給付のデジタル分野等成長分野、土日・夜間対応講座の指定拡大
②新たな経験を通じた人材の育成・活性化
・産業雇用安定助成金の新コース等の創設
・副業・兼業ガイドラインの周知
③ステップアップを通じた人材活用
・産業保健関係助成金を活用した労働者の健康促進支援

3.賃金上昇を伴う労働移動の円滑化~安心して挑戦できる労働市場の創造~
①労働市場の強化・見える化
・職業情報提供サイトの整備、職場情報の開示に関するガイドライン策定
②賃金上昇を伴う労働移動の支援
・労働移動支援、中途採用等支援などの助成金見直し
・求人者に対する求人条件向上指導、求職者の個別の求人開拓の強化
③継続的なキャリアサポート・就職支援
・公共職業訓練、求職者支援訓練のデジタル分野の重点化

4.多様な選択を力強く支える環境整備・雇用セーフティネットの再整備
①次なる雇用情勢の悪化に備えた雇用保険財政の早期再建
②フリーランスが安心して働くことができる環境整備
③働き方、休み方の多様化、複線的なキャリア選択への対応

 

3.さいごに

このパッケージは、意欲と能力に応じた「多様な働き方」を可能とし、「賃金上昇」の好循環を実現していくため、中長期も見据えた雇用政策に力点を置いています。
本施策に関する取り組みを行う企業を支援するための助成金も創設・拡充される予定となっていることから、助成金の活用も視野に入れながら、継続的に賃上げに関する取り組みを進めましょう。

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